清武:そうですね。僕は普段から家ではサッカーの話はしないんですけど、今回初めて移籍の相談をしたら「悪い時もいい時もあるけど、大事なのはチャレンジすることだよ」って言ってくれて。最終的にはその言葉に背中を押されました。でも、今回の決断はマジで苦しかった。こんなに物事を考えたことはないっていうくらい考えたし、気持ちも揺れまくりましたから。でも、今回の件は誰かに相談するというより、自分でしっかり答えを出そうと思っていたので、そこは最後まで悩み抜いて決めました。
播戸:確かに、誰かに相談するのも1つだけど、結局、やるのは自分でしかないからね。自分で決めたからこそ覚悟を持って挑めるところもあると考えても、そうやって悩み抜いた末の決断に間違いはないと思う。
ー海外の話が出ましたが、清武選手のドイツ・ニュルンベルグへの完全移籍が発表されました。改めて決断の理由を聞かせて下さい。
清武:本当は、今年の1月に視察を兼ねて行くはずだったんですけど、グアムキャンプの日程と重なって行けなくなって。結局、試合もDVDで見ただけだし、環境もよく分かっていない状況ですが、周りからは、ドイツは住みやすいと聞いていますからね。家族も一緒だし「どうにかなるやろ!」って思っています。
播戸:海外は行ってしまえば、絶対にどうにかなるよ。しかも、真司やミチ(安田理大)、アキ(家長昭博)、乾貴士らを見ての通り、若いうちは物事も柔軟に考えられる分、適応も早いからね。いろんなことをものすごいスピードで吸収できると考えても、若いうちに海外に行くのは絶対にいいと思う。
清武:僕はこの年齢でも遅いかなって思っているくらいですけどね。世界的に見ても、また、ウサ(宇佐美貴史)がバイエルンにいったのが19才って考えても、22才は決して若くはない。ただ、すでに海外でプレーしている同世代を見ていたら半端なく、逞しくなっていますからね!大津(祐樹)と五輪代表で一緒にやった時もその変化にビビりましたから。真司くんと日本代表で一緒にプレーしても格の違いを感じたし…そうやって近い世代の選手がどんどん強くなっていくのをみると、やっぱり海外に行かなきゃって思う。と言いつつ、実は一方で「ヤットさん(遠藤保仁)みたいになりたい」って思いもあったんですよ。ずっとJリーグでプレーして、海外組に負けないパフォーマンスを出せるってことを証明するのも僕らしいかなって。だって、僕は性格的にも全く海外向きじゃないから(笑)。でも今回は家族が一緒だからか、海外に行くのがすごく楽しみなんですよね。大分からセレッソに移籍してきた時は、自分の人見知り度合いを考えて、不安しかなかったけど、海外は逆に言葉が全く通じないですから。気の遣いようがないからいいかな、って(笑)。